人前で話すのが苦手…という人にとって、憂鬱の種となるのが「スピーチ」です。朝礼で定期的に3分スピーチが回ってくる会社も多いですよね。スピーチは、得意な人・苦手な人がはっきり分かれます。
得意な人にとっては、心を引き付けるネタを繰り出しながら、大勢の人の前で話すことも苦にならないものですが、苦手な人にとってはその3分間が地獄。
聞き手の反応がイマイチで、話しながら焦ってしまい、しどろもどろになって大失敗…という経験のある人も多いのではないでしょうか。
人前で話すことを苦手とする人がスピーチを成功させるためには、事前の入念な準備が必須です。スピーチの展開を事前に決めておくのはもちろんのことですが、やはり一番の鍵になるのはネタ選びでしょう。
多少話ベタでも、選んだネタに価値があれぱ、聞く人の心をつかむことができるんですよ。そこで今回は、スピーチが苦手な人こそ意識するべきネタ選びのコツをお伝えします。
ニュースからネタを拾おう
スピーチのネタ選びのコツの1つめは、ニュースからネタを拾うことです。まず、スピーチのネタ探しの大原則を確認しましょう。
それは「聞き手が『聞いてよかった』と思うような知見・情報を盛り込むこと」です。そこで、ネタを拾うときにも、どんな知見や情報が、人に教える価値があるのかをよく考えてみましょう。
人が知りたいと思う情報のひとつに、最新のニュースやトピック、時事問題があります。今度のスピーチでは、新聞やニュース番組などから、業界に関連するトピックを紹介してみてはどうでしょうか。
また、異業種の一風変わった新しい取り組みなどのニュースも、聞き手のインスピレーションを刺激するいいネタになりますよ。
偉人の伝記・名言集などを読もう
スピーチのネタ選びのコツの2つめは、偉人の伝記や名言集を読むことです。偉業をなしとげた人の名言には、現代の私たちにとっても役立つ知恵が詰まっています。
名言として残るような言葉は、端的で説得力があり、リズム感もよいものが多いため、スピーチのネタとしてはうってつけなんですよ。
また、偉人の伝記を読んでみると、大成功を収めた人の若い頃の失敗や、意外なエピソードなども拾えます。「失敗は成功の母、という言葉がありますが、偉人の○○も若い頃には大失敗をしていたというエピソードがあります。
私たちも失敗を恐れず、逆に失敗から学んで日々成長していきたいですね」というようにスピーチに盛り込んで紹介するのもおすすめです。
仕事での気づきを共有しよう
スピーチのネタ選びのコツの3つめは、仕事での気づきを共有することです。ここで大切なことは、なるべくポジティブなネタを探すこと。
「いまのやり方は効率が悪いことに気づいた」などのネガティブな気づきは、話し方を慎重に選ばないと、会社や特定の誰かを批判しているように聞こえてしまいます。
スピーチ力に自信がない場合には避けた方が無難でしょう。おすすめは、人知れず頑張っている誰かの努力を紹介してみることです。特に下の席次の人・若手の人を褒めると感じが良いこと請け合いです。
「新人の○○さんは、毎日教わったことをノートにまとめ、復習をしています。彼の姿を見ていると『初心忘れるべからず』と自分の身も引き締まるようです」というように、期待やよい影響を伝え、メンバーで共有できるようなスピーチをすれぱ、話ベタでも一目おかれることができますよ。
最近読んだ本について紹介しよう
スピーチのネタ選びのコツの4つめは、最近読んだ本について紹介することです。本を読んでいて勉強になったことや、新しく知った知識をスピーチのネタにするのです。
自分が勉強になったと感じることであれば、他の人にとっても価値のある情報である可能性が高いです。本を紹介する場合には、現物を持参し、見せながら話したり、特に印象的なフレーズに付箋をつけておいて、その場で本を開いて引用しながらスピーチをしたりといったテクニックが有効ですよ。
最近体験した素敵なサービスを紹介しよう
スピーチのネタ選びのコツの5つめは、最近体験した素敵なサービスを紹介することです。会社の朝礼でのスピーチで、他の人の仕事上のインスピレーションを刺激するような気づきを盛り込めば、聞き手の心をつかむことができますよね。
アイデアのヒントはどこに眠っているか分かりません。もしかすると、まったくの異業種のサービスがインスピレーションを刺激する可能性もあります。
そこで、最近自分が顧客として体験した素敵なサービスについて紹介してみてはどうでしょうか。自分の仕事にも生かしていける共通項を見つけて話すと、目のつけどころがいいな、と思ってもらえるはずです。
さて、聞く人に価値のある情報を与えるという軸でネタを選んでいけば、人前で話すことが苦手な人でも素晴らしいスピーチをすることができます。
また、価値ある情報をネタに選んでスピーチをする際のまとめ方にもコツがあります。それは、必ず「自分」を主語にすることです。
たとえば、ビジネス書から新しい仕事術を紹介するスピーチをする場合に、「○○という仕事術がありますので、皆さんも参考にしてみてはどうでしょうか。」というスピーチをすると、何となく上から目線の印象を与えてしまいますよね。
そうではなく、あえて「自分」を主語にして、「自分もこの○○という仕事術を取り入れていきたいと思います。」という宣言の形にまとめるのです。
そうすれば、興味のある人は「私もやってみようかな…」と引き付けられますし、周囲に意識の高さを感じさせることもできるので、おすすめですよ。
今回お伝えした5つのコツ以外にも、日常生活の中にネタ選びのヒントが転がっています。新しい情報や独創的な見方・考え方などに普段からアンテナを張って、他人に話す価値のある情報を集めていきましょう。
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