感情移入と共感の5つの違いとは?

感情移入と共感の5つの違いとは?
本や映画などでよく物語に感情移入するという言葉が使われますよね。同じように、共感するという言葉も登場人物の気持を同じようなときに使ったりします。なんとなくだけれど知っている言葉の意味や文脈から読み取れる言葉の意味。

はっきりは分からないけど、ぼんやりと意味を知っている言葉がけっこう多い場合があります。国語辞典でしらべないといけないほど意味がわからないわけでもないから、なんとなくの意味で理解してしまっているのではないでしょうか。

では「感情移入」と「共感」、この言葉の意味の違いは知っていますか。同じようシチュエーションで使う機会があるこの2つの言葉。実はちょっとした違いがあるのです。そこで今回は、「感情移入」と「共感」の違いについてお伝えします。

人だけでなく「もの」も対象となるのが感情移入

自分の感情を相手が「こう思っているんだろうな」と自分と重ね合わせて、勝手に相手に移し入れることを感情移入といい、辞典には「自分の感情などを他の人や自然、芸術作品になどに投射し、それらと自分の融合を感じる意識作用」となっている。

つまり、感情移入は人の感情だけでなく音楽や芸術作品、自然などに対してもできるということなのです。例えば、音楽を聴いて「自分の恋の応援をしてくれている歌だ!」「失恋した気持ちを歌っている」と心酔して聞き入ったり、悲しくなったりすることがあるでしょう。

他にも小鳥のさえずりが楽しくお話をしているように聞こえたり、冬空の星がキラキラと切なく感じたりすることがありますが、それは自分の一方的な決めつけに過ぎず、自分が勝手に悲しくなったり、切なくなっているだけなのです。ポイントは自分が勝手に投射すること。これが感情移入なのです。

共感は「人」以外は対象にならない

「同感」と同じような意味になり、他人と同じ感情を持つことを共感といいます。つまり「人が楽しんでるのを見ると相手が楽しそうなことがわかり、自分も楽しくなる」ということです。

ポイントは「人が」というところで、人と人との関わりの中で発生する感情のため、人間関係を築く鍵ともいえます。そのため相手がなんの感情を持っていないのに「悲しそうだ」と推測して勝手に自分も悲しむのは共感とは言えません。

また、相手が悲しんでいても、自分が悲しんでいなければ共感とは言えません。他人の考えや行動、感情を自分のもののように感じ取ることが共感なのです。相手を理解し同じ感情になれたら、それは共感と呼べるでしょう。

感情移入は能動的

「こういう気持ちなんだろうな」と想像して勝手に自分に投射することなので、意識的に感情移入しようとしないとできないものなのです。

これは1人1人考え方や感じ方が違うために能動的になってしまうということ。つまり、自分が体験したことではないけれども、自分に起きたように想像して感情が生まれているのです。

人は、「自分」は「自分」、「人」は「人」という考えを持っています。ですが、それでは人間関係もうまくいかない、ものに対しても感情がわかなくなってしまうので感情移入という能力が備わっているのかもしれません。

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