あがり症だと、重要な時に自分の持ってる力を発揮できなくて、人生の大事なタイミングで失敗してしまうことってありますよね。「緊張しない様に」と自分に言い聞かせたり、手の「人」という字を3回書いて飲み込むなどのおまじないをすることで気持ちが落ち着くこともありますが、完全にリラックスできない人もいます。
おまじないや自己暗示をして緊張を和らげられる人はよいですが、それでは全く効果がないというあがり症の人は、そもそもの要因を究明して適切な対処をしないと根本的な改善にはつながりません。しかし、あがり症になってしまった人はその要因が何だったか自分ではわからないものです。
そこで、あがり症になってしまう要因とその対処方法について、それぞれのポイントをお伝えします。
比較されて育った
親にテストの点数が悪かった時に「お隣の花子ちゃんは100点満点だったのにどうしてあなたは70点なの」と怒られたり、姉妹や兄弟を引き合いに出されて比較されるようなことを言われて育った子供は、あがり症になりやすいと言われています。
親が叱る対象の子供と比較対象の子供が二人一緒にいる時に優劣をつけると、叱られた子供の方は恥ずかしい気持ちになったり、悲しい気持ちになります。この状況に大きなストレスを感じて、何かをする時に不安や緊張を伴うようになり、あがり症になってしまうのです。
過保護すぎる環境
過保護にされすぎてあがり症になってしまう人もいます。子供の頃に親に守られ、学校でも先生に守られ、会社でも先輩や上司に守られてきた人は、一見、恵まれていると思いますよね。しかし、ずっと過保護に育てられた人が、いきなり厳しい状況に一人で立たされると、極度の不安を感じます。
過保護という環境があがり症になってしまう原因になるのです。子供を大切に育てたり、後輩の面倒をよく見るのはよいことですが、なんでも上の立場の人がやってあげてしまうと、相手はいざという時に独り立ちできない人物になってしまいます。
過剰な罰
学校で悪いことをしたり、規則を破ると先生に怒られますよね。いけないことを正すために指導をするのは大切なことですが、過剰な罰を与えると、その子は将来あがり症になってしまう可能性があります。
教室でみんなの前で長時間立たされるとか、激しく叱られるなど、周囲の前で恥をかかされるような過剰な罰を受けると、本人のプライドは大きく傷つき、精神的に傷つきます。これが恐怖となり、それから肝心な場面になると、失敗を極度に恐れてあがり症になってしまうのです。
失敗しても大丈夫
ここまでお伝えした通り、あがり症の人は過去の経験から、無意識にあがり症になってしまうケースが多いのです。しかし、改善することは十分可能です。その一つの方法として「失敗を恐れない」ことを癖づける方法があります。
場数を踏んで慣れる
「失敗しても大丈夫」と思おうとしてもなかなかそんな風に思えない、という場合もあります。そんな時は、場数を踏んで慣れましょう。人は学習する能力があります。あがり症の人は、初めての経験はとくに緊張するものですが、回数を重ねていくうちに徐々にその緊張は和らいでいきます。
医療機関で治療する
あがり症は性格や気持ちの問題だと思われがちですが、精神的な疾患でもあります。極度の緊張や不安で身体的な症状が出てしまったり、不眠症になったり、パニック状態になるなど、日常生活にまで支障をきたすようになったら、医療機関を受診しましょう。
あがり症は「私あがり症なんだよね」などと、普段の会話でも軽く使う言葉のため、その人の生まれ持った性格や個性だと思われがちです。しかし、あがり症になるには原因があり、それは精神的な事のため、根深い問題です。
一度あがり症になったら、年齢を重ねたり、気持ちを自力で切り替えるなどの方法では簡単に克服することができません。あがり症になってしまった原因を自分自身で振り返り、自分自身をそれを理解することで、あがり症に真剣に向き合うことが必要です。
あがり症の克服は簡単なものではありませんし、完全に克服することはとても難しいことです。しかし、根気強く向き合って対処することで、徐々に改善されていきますから、諦めず、時には医療機関の力も借りながら気長に対応していきましょう。
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