失恋は、誰にとっても辛い経験です。でも、失恋というものは、多くの場合、幻想とバイアスから成り立っているともいえます。若ければそれだけ一層、そういった幻想やバイアスに心が惑わされているため、とても辛く感じ、立ち直るのが困難に思ったりするものです。
しかし、少し気持ちを落ち着けて、自分の心を内省してみましょう。そうすれば、あなたがその恋の相手との関係に求めていた価値や意義をはっきりと認識することができるでしょう。そして、実際には、それこそがあなたの求めていたものであったということがわかるでしょう。
恋の相手は、それらの価値観や意義の投影された幻想にすぎないわけなのです。幻想をいくら追い求めても満たされることはありません。そこで、どうすれば、あなたがその失恋から立ち直り、成長することができるかについて、次の7つの項目にわたってお話しましょう。
失恋した相手に対し、自分が何を求めていた事柄の内省
失恋した場合に、先ず、考えるべきことは、自分がその失恋した相手との関係に何を求めていたのかです。およそ、恋愛に限らず、人間関係にはギブ・アンド・テイクの要素が存在しています。
そして、自分が相手と関係を持ちたいと思う場合、そこには、必ず何らかの欲求があります。その欲求の本質が何であるかを追求してみるのです。それは、内省という、自分の心のはたらきや状態をかえりみてみる方法によって達成することができます。
失恋した相手に自分が求めていた事柄の価値や意義についての思慮
思慮の内省を行ってみることで、自分が失恋した相手に求めていたことの本質となっている価値や意義を認識することができるようになります。たとえば、あなたが相手の容姿、あるいは高い知性に惹かれていたとします。
その場合、あなたのその恋には美意識や知性主義という価値観が強く働いていたといえるのです。これらの価値を、恋に伴う主観ではなく、客観性とともに見つめ直してみましょう。そうすれば、自分がその価値を享受するという意義を相手との関係に求めていたことがわかるでしょう。
その価値や意義の自分の人生における大切さの程度の思量
その次の段階として、それらの価値や意義が自分の人生において、どの程度、大切なのかを慮ってみましょう。確かに、美や知は人の人生をより豊かにする要因であるといえます。
しかし、あなたが他者の中にそれを追求することが、果たしてどのくらい有意義なことなのでしょうか。むしろ、あなた自身があなた自身の方法でそれらの価値を人生に実現していくことの方が、あなたにとっては余程有意義なことであるといえるでしょう。
それらを超える価値や意義に対する思索
それでは、それらの価値や意義を超えるものがあるかどうかについて考えてみましょう。もちろん、失恋の相手が最高ではないわけですから、そういったものはあるといえるでしょう。しかも、美や知などに関して言えば、それらのより奥深い探究が可能です。
日頃、私たちが「美」と認識している要素は、実際には、品性であったり、あるいは、内面の魅力であったりするものです。また、「知」に関しても、単なる「知識」に基づくものから「叡智」まで、さまざまな範囲に及んでいます。そういった奥義をきわめることが、運命があなたに与えた課題なのではないでしょうか。
それらの価値や意義を具現化する方法の思索
あなたのうちに、それらの奥義が秘めやかに輝くさまを想像してみて下さい。そして、それらの価値や意義を具現するには、どうしたらよいのかを、静かに目を閉じて思い巡らせてみましょう。
そうすれば、あなたは、必ずしも、そういった要素を有する人の出現を待たずとも、あなた自身にその理想を実現していくことができることを確信することでしょう。むしろ、あなたのうちにどれだけ、その奥義が輝いているかが大切なのです。
そして、そのための方法としては、自分に出来るささやかなことから、実際的な方法でアプローチしていくことが最善であるといえるでしょう。「出来ること」からのアプローチは、本当の自分らしさを見失うことなく、無事、目的に到達するために必要十分な条件であるといえます。自分の運命とインスピレーションを信じてみましょう。
その価値や意義を具現できた自分の幸せな状態の想起
さて、先程お話しましたように、「あなたのうちに、あなたが大切にしている奥義が秘めやかに輝くさまを想像してみること」は、あなたの意識上のトレーニングにとって、非常に大切なことです。そして、それらの価値や意義が具現することによって、あなたの人生が変革し、あなたが幸せな状態に到達することを想起してみましょう。
焦らず、慌てずに、ゆったりと落ち着いた心持ちで過ごしている、あなたの幸せな充足感に溢れた時間を、心の内に引き寄せ、既に、経験してみるのです。すると、それらの本質が実感できるでしょう。そして、その感覚を大切にしましょう。
それらの価値や意義を具現する方法の実践
それでは、いよいよ、実践あるのみです。このとき、あなたは既に、失恋のことなど、すっかり忘れてしまっていることでしょう。忘却も神様から与えられた大切な機能のひとつなのです。なぜならば、神様は人が悩みを抱えて生きることを望まれていないからです。わだかまりのない揚々とした心持で、新しいスタートに向かって、さっそうと再出発しましょう。
7つの項目にわたり、「失恋したとき苦しいけどグッと成長できる立ち直り方」についてお話しました。恋という心理現象は、実際には、お話したような内的心理の表れであるといえます。むろん、繁殖といった身体的な本能からくる欲求もありますが、それは、二次的な要素でしかありません。
むしろ、あなたが相手に惹かれる理由としての要素が自分にとっての成長の課題を示すものであるという点に留意するとよいでしょう。そして、あなたは、そういった要素の本質となる奥義を、あなた自身の方法で、あなたの中に、より一層、きわめていくことができるのです。
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