教育心理学を活用して、子どもを上手に褒めるには

教育心理学を活用して、子どもを上手に褒めるには
教育心理学を活用した子どもの褒め方は、一般的によくしてしまう子どもの褒め方とは異なります。私たち大人は、自分の子どもを褒めるときも他人の子どもを褒める時もお決まりの言葉を使ってしまったり、「自分だったらこんな褒め方をしてほしい」という自分の願望をそのまま褒め言葉にしてしまいがちですよね。

しかし、大人が言われて嬉しい褒められ方が教育心理学的に必ずしも子どもにとってもよい効果を生むとは限りません。子どもは大人の反応や言葉一つ一つをストレートに受け止めます。そのため、大人だったら素直に嬉しい褒め言葉も子どもには逆効果になってしまうこともあるのです。

せっかく子どもを褒めて育てようと思ったのにそれが裏目になってしまったら残念ですよね。そこで今回は、教育心理学を活用した子どもの上手な褒め方を6つのポイントでお伝えします。

能力を褒めてはいけない

「〇〇ちゃんは頭がいいね」という褒め言葉はよく使ってしまいますよね。自分が言われて嬉しいと思う誉め言葉でもあります。しかし、教育心理学的には、この褒め言葉は子どもに良くない影響を与えてしまう可能性があります。

能力自体を褒め続けると、子どもは「自分はすごいままであり続けなければいけない」と思い込んでしまいます。そのため失敗することを怖がるようになったり、一度失敗をするとひどく落ち込んで立ち直れなくなったりすることもあるのです。

 

努力を褒める

教育心理学では、子どもの能力自体を褒めることは、その後の子どもの心理に悪い影響を与える可能性がありますが、子どもが「頑張ったこと」に対して褒めることはよいことです。

テストでよい点を取ったら「頭がいい」と褒めるのではなく、「頑張って勉強してえらかったね」と子どもが頑張ったことに対して褒めるのです。こうすることで子どもは「努力をすると褒めてもらえる」と考えるようになるので、失敗を恐れず努力して挑戦し続ける子になるのです。

 

苦手な事を褒める

子どもの褒め方のコツは、能力ではなくその過程をフォーカスするのがポイントですが、褒めるタイミングを工夫することで、子どもの生活習慣を正すことも可能です。例えば、歯磨きや片付け、お手伝いなどは子どもは嫌がりますよね。

しかし、子どもが「嫌がること」をした時にたくさん褒めてあげることで、子どもは嫌だなと思うことをしたら「褒めてもらえる」というご褒美がもらえるのだ、よいことなんだと考えるようになり、それが習慣化するのです。これも教育心理学を活用した上手な子どもの褒め方です。

 

ちょっとしたことは褒めない

苦手な事をした時に子どもを褒めると、子どもは嫌だと思うことを後回しにしたり嫌がらずに進んでやるようになります。しかし、教育心理学的には、ちょっとしたことですぐに褒めるのはよくないという考えがあります。

食事をしただけで褒めたり、朝起きただけで褒めたり、おもちゃで遊んでいるだけで褒めるなど、子どもが対して苦に思わずに自然にしている行為に対して褒めてしまうと、褒められることが特別なことではなくなってしまい、本当に褒めてあげたい時にその褒め言葉の効果が薄れてしまうのです。

 

暗に期待する

今すでに持っている子どもの能力を褒めることは、子どもが失敗を恐れることにつながってしまいますが、潜在的な子どもの能力に期待をするのは、教育心理学的には子どもの能力を伸ばす効果があります。これはピグマリオン効果と言います。

「〇〇ちゃんはできるよね」とか「期待しているよ」と言葉にしてしまうとプレッシャーになって逆効果になりますが、レベルの高い参考書を買い与えたり、レベルの高い塾や習い事に通わせると「自分は特別な能力を持っていると期待されているのだ」と子どもが感じ取って、自然に努力をするようになるのです。

 

すぐに褒める

子どもを褒めるタイミングの選び方や頻度、褒め方について、教育心理学的によいとされるポイントをお伝えしましたが、子どもを上手に褒めるのに必要なもう一つの重要なポイントがあります。それが「すぐに褒める」ということです。

子どもがよいことをしたらすぐにその場で褒めてあげます。こうすることで、行為と褒められた事が子どもの記憶の中でリンクしやすくなり効果的です。時間が経ってから「あの時はよくできたね」と褒められても子どもの心理には大きなインパクトを与えることができませんから注意しましょう。

 

さて教育心理学を活用した子どもの上手な褒め方についてポイントをお伝えしました。実際によいポイントを聞いてみると、自分が子どもの時にされた褒められ方が良かったんだと感じる人もいれば、後の人生に悪い影響を与えていたんだなと実感した人もいるのではないでしょうか。

「運動が上手だね」とか「頭がいいね」など、自分の能力を褒められると「自分は生まれながらにして特別な才能を持っているんだ」と感じて嬉しい気持ちになりますよね。しかし、一方で子どもは「自分はこうでなければいけない」という考えに縛れてしまうというのが教育心理学での考え方です。

子どもをまったく褒めずに叱り続けるのは良くありません。しかし、ちょっとした何気ない褒め言葉が子どもにプレッシャーを与えてしまう可能性があるということも忘れない様にしましょう。教育心理学では、子どもがこれを言われたらどう思うかを考えることが大切なのです。

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