ゲシュタルト心理学であなたの過去をクリアにする5つのステップ

ゲシュタルト心理学であなたの過去をクリアにする5つのステップ

「ゲシュタルト」とはドイツ語で「形態」のことをいいます。ゲシュタルト心理学は人の精神を要素で見るのではなく全体的に捉えるものです。つまり、いろいろな感情があったり心の動きがあったりするのを個別に見るのではなく、それも含めた全体が精神であるという考え方です。私たちは「今」を生きていくうえで切り離せないものに「過去」があります。

ゲシュタルト心理学ではその過去もあなたを形成している一部ととらえます。それを読み取る方法にゲシュタルト療法といわれるものがあります。誰でも心の動きは繊細で場合によってはちょっとした事で傷つきます。それは異常なことでも特別なことでもないのです。その心の小さな声を聞く方法の一部をご紹介しましょう。

 

ゲシュタルト心理学で
あなたの過去をクリアにする5つのステップ

 

その1: エンプティチェア 

いくつかイスを用意し、その一つにあなたが座ります。そしてそれ以外のイスには「気になる相手」に座ってもらうとイメージします。相手は人間であっても人間ではない「問題そのもの」でもかまいません。場合によっては「自分自身」ということもあるでしょう。

気になる相手がそのイスに座ったとイメージしたら、その相手に向かって今の自分の気持ちを語りかけてもらいます。その相手(問題そのもの)に対してあなたはどんなことを今、思っているのか・・・。次にあなたはその「気になる相手」が座っているイスにあなたが座り、その「気になる相手」になりきってもらいます。

そしてあなたが投げかけた「気になる相手」への思っていることに「気になる相手」になりきって答えてもらうのです。これを数回繰り返します。あなたが必要なくなったと判断するまでです。これは別の視点に立つことで問題の違う一面を見つけることができたり、解決方法を探したりすることができるのではないかと考えられています。本当の意味での客観性はなかなか手に入れるのが難しいものなのです。

 

その2: 未完の行為 

あなたはどうしてもやりたかったことややらなかったことで後悔していることはありませんか?ずっと○○したかったんだ・・・という事があって、それがあなたの現在に影響を及ぼしているとき、この方法はとられます。もちろんそれが生きる目標になっている場合もあるでしょう。

成し遂げたいことがどれだけ大変でも、それがあるからこそがんばれる・・・という場合はこの方法はとられません。過去にできる機会があったのにできなかった、そのことが今でもずっと自分を支配している、という事情の時にこの方法は威力を発揮します。

よく例に出されるのが親のいない人が「お父さん」「お母さん」と呼びたかった、という例です。実際に父母は存在しないのでずっという機会がなかったのでしょう。しかし、本人はその言葉を言いたかった・・・。このようなときには言ってもらうのです。それによって本人が過去に納得することが重要なのです。過去にとらわれている自分を解放させてあげる手段になります。

 

その3: ドリームワーク 

眠ったときにみる夢を覚えていますか?時に「どうしてそんな夢をみたのだろう?」と思うようなストーリーが展開する場合もあるでしょう。夢だと理解できていないのにその異常な状態をさも当たり前のように受け止めている自分がいたりします。夢には自分が押し殺している感情が出てくる場合が多々あります。

それから気づきを得ようとするのがこのドリームワークです。夢を思い返せばいろいろなキーワードが隠れています。それは巧妙でなかなか気がつきません。しかし、このドリームワークを実践することであなたにも気がつく可能性が出てくるのです。

夢の中の登場人物や物になったつもりであなたは夢を演じます。言葉や行動で夢を再現するのです。夢と直接的なコンタクトを取ることであなたの気持ちの中にある「なにか」が見えてくるはずです。

 

その4: できないことをする。 

ゲシュタルト療法ではロールプレイングはとても重要な役割をします。この「できないことをする」というのも一つのロールプレイングでの療法です。あなたが「できない」と思っていることをできる人になりきって演じてもらうのです。できる人を演じるのですから、あなたはできなくてもその演じている人はできるはずです。

そのような考えから、とらわれている過去から開放するという方法です。例えば「人前で話ができない」という悩みがあるなら「どんな大勢の前でも話せる人」を演じてもらいます。

できない人ができる人を演じるというロールプレイングは一見難しいように見えますが、なりきることにより克服してもらいます。そしてそのできない原因もロールプレイングしながら見えてくる可能性があるのです。

 

その5: トップドッグ&アンダードッグ 

トップドッグとは「勝ち犬」をあらわします。心の中の「○○すべきだ」や「○○してはならない」というプラス性のある考え方です。アンダードッグは「負け犬」です。心の「○○したくない」や「○○はいやだ」といったマイナス性の考え方です。このあなたの中の二つの気持ちをそれぞれ向かい合わせて議論させるのです。

具体的にはイスを2つ用意し、あなたはどちらかのイスにすわります。まずあなたは問題に対してトップドッグの立場になります。こうするべきだという考えを述べるのです。それから次にアンダードッグの立場になるために、もう一つのイスにすわり、それはしたくないという反論をするわけです。

これを繰り返します。二つの両極端の考えでそれぞれ述べることによって、その問題の妥協点を探ります。二つの考えはどちらもあなたの考えです。あなたが導き出す妥協点はあなたの考えそのものなのです。

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