負の感情が先か?実際の傷みが先か?を見極める
さて、ここまで読み進めて下さると、次のような疑問を感じる方もいるでしょう。
「傷みと負の感情。どっちを先に解決するべきですか?」という疑問。
たしかに、多くの方がこの疑問を持たれることは納得です。「傷みの解決」と「負の感情の処理」、どちらを優先するかは「ケース・バイ・ケース」としか言えないのですが、ちょっとした目安を紹介したいと思います。
ポイントは、「傷みの解決に要する期間」にあります。
「お給料が下がっている」という問題を解決するケースを例に、具体的に考えてみましょう。
上記でも解説しましたが、お給料が下がっている場合、最も多く見られるのが「生活苦」という「実際の傷み」と、「生活に不安を感じる」という「負の感情」です。
では、まず実際の傷みの解決方法を模索してみましょう。
サラリーマンであれば、「出世を狙う」や「お給料が良い会社に転職する」という方法がありますが、それらを実現させるには時間がかかります。
「明日、部長に出世させてください!」
と懇願しても、「頭でも打ったのか・・・?」と思われるのがオチですから。
このように、実際の傷みの解決に時間を要するのであれば、「負の感情の処理を優先させる」に切り替えた方が良いでしょう。
というのも、負の感情は「実際の傷みの上に乗っているもの」なのです。したがって、実際の傷みを解決しない限り、負の感情も付きまとうことになるんですよ。
負の感情は、人間に様々なストレスを与えます。当然、長期に渡って負の感情を抱えれば、その分だけ精神的な傷みも積み重なることでしょう。
その場合は、「まず負の感情から取り除き、その後で実際の傷みの解決を考える」の方が有効と考えられます。
たとえば、上記でも紹介した「支出能力」を調べ上げ、「このくらいの貯金なら出来る」という数字を計算します。どれだけ小さな金額でもOKです。「貯金が出来る」という事実があれば、それだけで負の感情を大きく和らげる効果があるのです。
そして、今度は貯金の方法を考えてみましょう。たとえば、普段使いしている銀行に、新しくもう1つの口座を開設します。銀行にもよりますが、「毎月、決まった日に決まった金額を別口座に送金する」というサービスがあることをご存知でしょうか?
同じ銀行であれば送金手数料も有利になりますし、もう1つの口座を「定期口座」にしておけば良いでしょう。満期まで引き出せないので、「使っちゃった・・・」という心配がありません。
このように、実際の傷みの解決に時間を要するなら、まず負の感情の処理を行い、ストレスフリーになったところで、「実際の傷みの解決」に移行しましょう。
負の感情の処理は、直接的には実際の傷みの解決に役立ちません。しかし、「負の感情を処理して行動する」という場合、発想の多くがポジティブになります。その状態を作り上げてからでも、実際の傷みの解決は遅くないことを自分自身に言い聞かせてください。
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