妊娠初期に甘いものを食べ過ぎると起こる悪影響

妊娠初期に甘いものを食べ過ぎると起こる悪影響
妊娠するとおなかが減りやすくなり、つい甘いものを食べ過ぎてしまうということがよくありますよね。特に味覚が変わる妊娠初期には普段甘いものを食べない人でも食べ過ぎてしまい、体重が増えすぎて後悔するということが起こります。

妊娠しているいないに関わらず、甘いものの食べ過ぎは健康や美容の大敵ですが、妊娠中ならなおさら赤ちゃんへの影響も心配です。そう頭ではわかっていても甘いものをやめられないと、今度は自己嫌悪に陥って精神的にも辛くなってしまいます。

食べたいものを我慢しすぎてストレスが溜まってしまうのも考えものですよね。そこで今回は甘いものの食べ過ぎが妊婦さんと赤ちゃんに与える悪影響について整理し、甘いものの食べ過ぎを防ぐためのコツをお伝えします。

妊娠中に甘いものを食べたくなる理由

そもそも、どうして妊娠すると甘いものを食べ過ぎてしまうのでしょうか。これには主に二つ理由があります。

1)ホルモンバランスの変化

妊娠すると、妊娠状態を維持するために黄体ホルモンというホルモンが急激に増えます。特に妊娠初期に多く分泌され、妊娠後期になると一定の濃度となります。

この黄体ホルモンは味覚に影響を与えるので、今まで苦手だった味が好きになったり好きだったものが食べられないということが起こります。また、薄い味を感じにくくなるため甘いものや塩辛いものを食べたくなる妊婦さんが多いのです。

2)ブドウ糖の代謝変化

妊娠中は、赤ちゃんへの栄養として妊婦さんの身体からブドウ糖が送られています。このため通常の食事だけでは糖分が足りなくなり、補うために甘いものを食べたくなってしまうのです。特に妊娠初期と後期により多くの糖分が赤ちゃんへ送られるので、この時期はどうしても甘いものを食べ過ぎてしまうのです。

こうしてみると、妊婦さんが甘いものを食べたくなるのはある意味自然なことで、仕方がないことですよね。

 

甘いものの食べ過ぎがもたらす妊婦さんへの悪影響

1)肥満

甘いものの食べ過ぎで真っ先に思い浮かぶのが、太りすぎです。妊娠中はある程度体重が増えるのは当然ですが、必要以上に太りすぎると産道が狭くなり難産となります。また、内臓機能が低下したり便秘になったりと良くないことばかりです。

2)糖尿病

甘いものを食べ過ぎると高血糖になり妊婦糖尿病になりやすくなります。妊婦さんが糖尿病になると、お腹の赤ちゃんも糖尿病になりやすくなるので注意が必要です。

3)高血圧

妊娠中は赤ちゃんに栄養を送るため血圧が普段より少し高めになっています。しかし甘いものを食べ過ぎたり塩分を摂りすぎることでさらに血圧が上がると妊娠高血圧症候群となり、重症化すると帝王切開しなければならなくなることも。血圧が妊婦の基準値を超えないように気をつけましょう。

 

お腹の赤ちゃんへの影響

1)低血糖症

妊婦さんが甘いものを食べ過ぎると、赤ちゃんにも多くの糖分が送られます。お腹の中にいる間はその糖分を分解するのに充分なホルモンを出して分解するので問題ないのですが、成長する間これが続いていると、生後ママからの糖分が送られてこなくなっても、今まで送られてきた糖分量に対応するだけのホルモンを分泌し続けてしまい、その結果低血糖症をおこすことがあります。

2)肥満

送られてくる糖分が多すぎると赤ちゃんも必要以上に大きくなってしまい、難産になったり心臓に負担がかかったりします。

 

甘いものの食べ過ぎを防ぐには

以上のような影響が心配されるので、甘いものは食べ過ぎないことが肝心です。しかしホルモンバランスや糖分の代謝量の変化というのは自分でコントロールすることはできません。だから頭ではわかっていてもついつい食べてしまうのですね。それなら、できるだけ身体に悪影響のでないような食品を選んで甘いものの食べ過ぎを防ぎましょう。

1)フルーツ

フルーツの甘みは果糖によるもので、砂糖と違って血糖値が急激に上がりにくいため糖尿病や低血糖になりにくいです。バナナやリンゴ、ミカンなどは自然の甘さを感じられるうえに、ビタミンやミネラル、食物繊維を補給できるので妊娠中はおすすめです。他にも鉄分豊富なプルーンやドライフルーツもいいでしょう。

2)さつまいも

甘くて食物繊維が豊富なさつまいもは妊娠中のおやつにピッタリです。カリウムも豊富なので血圧を下げる働きもあります。ただしカロリーが高いので食べ過ぎないようにしましょう。

3)ゼリー、寒天

水分が多いゼリーは低カロリーなのに満腹感が得られます。寒天も食物繊維が多く腹持ちが良いのでおすすめです。フルーツやナタデココが入っているものなら、1個で充分満足感を得られるでしょう。

4)豆乳などの飲み物

甘いものが食べたい時、無調整豆乳にきび砂糖を入れたものや、バナナきな粉シェイクなど、程よい甘さがある飲み物を最初に飲むようにします。すると甘いものを食べ過ぎてしまうことが減り水分も取れるので便秘などの予防になります。

 

イライラするくらいなら食べてもOK

甘いものが食べたいのに無理に我慢してイライラをため込むのは過度なストレスとなり、これも赤ちゃんには良くありません。果物やゼリーばかりでなく、時にはケーキやチョコレート、アイスクリームなども食べたいですよね。確かに甘いものを食べ過ぎてしまうのは良くないことですが、影響が出ない程度の量を食べる分には問題ないでしょう。

体重や妊婦健診の結果を参考に、週に1回などペースを決めて、ショートケーキ1個くらいは楽しんでも大丈夫。ただでさえ不安や心配なことが多い妊娠中です。たまには息抜きをしてゆったりとスイーツを楽しむ時間を持ちましょう。

 

妊婦さんが甘いものを食べたくなるのはほとんど本能です。自分のエネルギーになるべき糖分が赤ちゃんに送られているのですから補給したくなるのは当たり前なんですね。

今は魅力的なお菓子が手軽に買えてしまうので、ついつい欲望のおもむくまま甘いものを食べ過ぎてしまいます。でも、そんな食生活を続けては自分にも赤ちゃんにも悪影響が出るのは避けられません。

そこで甘いものの食べ過ぎによる悪影響をきちんと理解し、食べたい衝動と上手に付き合っていくことが重要なのです。規則正しい生活と食事はもちろん、おやつにも気を配って栄養が偏らないようにしましょう。そして時々は好きな甘いものでリラックス。

妊娠中にそのリズムが身につけば、出産後の育児にもとても役に立つことでしょう。この記事をご参考に、健康的な妊娠生活を過ごし元気な赤ちゃんを産んでくださいね。

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