色彩心理学で円滑なコミュニケーションをする7つの方法

色彩心理学で円滑なコミュニケーションをする7つの方法

人間は五感を駆使することによって外界からの情報を取り入れ判断を下していますが、『視覚から得る情報』はそのうちのおよそ87%を占めているといわれています。文字、図柄などと同様、色もまた、それ自体が情報そのものなのです。

人は様々な色を読み取ることにより自分が発するべき言葉と態度を決め、円滑なコミュニケーションを営むべく思考します。また、意識的にしろ無意識的にしろ、行動の際のナビゲーションシステムとしても活用しています。

このような『色が人の心理や状態に与える影響や関係性』を学び、臨床心理学の見地から解き明かしていく分野が『色彩心理学』です。色は人のイメージを左右し、心理状態を映し出し、精神状況に働きかけます。色のもつ特性を知り、円滑なコミュニケーションに活かすべく、7つのポイントをご紹介しましょう。

色彩効果の基礎知識を学ぼう!

色を駆使しようと思うなら、それぞれがもたらす心理的効果、生理的効果、安全性を考慮する必要があります。うまく使えば心地よさをもたらし、相手の警戒心を解く鍵となりますが、使い方を間違うと、かえって相手に不快感と嫌悪感を与えてしまいます。

ここでは、色彩の効果を十二分に活用すべく、色彩心理の基礎知識をご紹介しましょう。『色には温度感がある』(暖色系・寒色系)「同じ温度の赤い部屋と青い部屋、なのに体感温度は3度も差があった」「寒色系の壁に暗い色の床という部屋にいた居住者たちが、精神的に沈みがちになってしまった」。

有名な色彩実験の結果に裏付けられるように、色は空間や印象の温感差に影響を与えます。寒色系ばかりではクール、冷静、場合によっては冷酷というイメージになりがち。逆に暖色系ばかりでも、組み合わせによっては騒々しさや落ち着きのなさをイメージさせてしまいます。

服装にしろ一緒に過ごす空間にしろ、色味のバランスを調整する必要があるといえるでしょう。また、温度感は色の明るさによっても変わってきます。一般的に白に近くなるほど涼しげな印象となり、黒に近くなるほど暖かい印象をもたらします。

『色は興奮感・沈静感をもたらす』鮮やかな色ほど神経を昂ぶらせ、パステルカラーなどの淡い色ほど神経を落ち着かせます。また、たくさんの色彩を使いすぎれば刺激が過剰になり混乱や不安定さを招きます。かといって単調な色づかいだとぼんやりしすぎて印象が残らない、決断力などが鈍るなどといった作用もあります。

ベースカラーには強い色、暗い色味は避け明るい色を使い、長時間いる場所には落ち着きをもたらす淡い色、短時間集中を目指すなら鮮やかな色を取り入れるなど目的によって使う色を選ぶことで、的確な効果が得られます。

『色には軽重感がある』明度が低い(暗い)ほど重くなり、高い(明るい)ほど軽く感じられます。もっとも重く感じるのは黒、逆にもっとも軽く感じるのは白、です。使う場所によって安定感や圧迫感を与える要素となります。

 

色に反映させている心のうちを見抜いてみよう!

ご自分のクローゼットを見てみてください、結構同じような色の服が多かったりしませんか?購入時に無作為に選んでいるように見えますが、実は無意識のうちに、人は心の状態を色に反映させています。

また、気ままに選んでいるように見える当日の服の色なども、実はその時その時の気分にもっとも合った色を無意識に選んでいるのです。

これを『気分一致効果』といいます。逆に、あまり選ばない色、嫌いな色にはその人自身が知られたくないと思っている部分やコンプレックスなどが隠されていることがあります。

選ぶ色に注目することで自分の深層心理を知る手がかりになるだけでなく、相手が良く身につけている小物や服の色などから、心の状態を読みとることも可能になります。

 

色が与えるイメージを活用しよう!

人は無意識に自分の気分に合った色を選び、相手が身につけている色から様々な情報を取り入れています。ということは、逆に色のもつイメージを知り、意識的に身につけることで、相手への印象を操作することも可能ということになります。

女性らしさをアピールしたいならピンクやパステルカラー、知的な雰囲気を印象付けたいなら青、ビジネスシーンにおいて信頼度と威厳を演出し交渉事の際に効果を発揮する黒、などなど。もちろん素材や組み合わせも重要な要素となります。

こうして意図的に色を操ることにより、自分が与えたいと思うイメージを相手の無意識の領域に刷り込み、状況をより有益な方向へ導くことができるのです。

 

あの人の心を読み取ろう!赤・オレンジ・黄色

あなたも、あなた以外の人も。『好む色』は心を映し出す鏡であり、性格や気質などと密接に関連しています。

『赤』を好む人→強いエネルギーとバイタリティに溢れるリーダー格。何事に対しても意欲的に取り組む積極性に富んでいます。正義感が強く面倒見もよいので、人をまとめるのも得意でしょう。反面競争心が強く見栄っ張りな一面ももっています。人に指図されるのが嫌いなので、このタイプに『強制』は禁物です。

『オレンジ』を好む人→明るく社交的な気配り上手。人間的に温かみがあり親しみやすいだけでなく、人の気持ちを敏感に察知する能力に優れています。反面親切がすぎておせっかいになってしまうことがあるのが玉にキズ。自分の存在を認められたいという気持ちが強いので、蔑ろ(ないがしろ)に接するのはNGです。

『黄色』を好む人→知的好奇心旺盛で、ユーモアセンスも抜群。先天的に頭の回転が早く、物事に対しての理解力、分析力に優れています。反面天真爛漫ゆえにお調子者、言動にムラが出ることも。1つのことを長く続けるのが苦手なので、単純作業には向いていません。

 

あの人の心を読み取ろう!緑・青・紫

『緑』を好む人→優しくおだやかなおっとりさん。謙虚で偏見や先入観にとらわれずに人と付き合うことができるため、周囲に安心感と安らぎを与えます。反面気を配りすぎて他人の顔色を伺ってしまったり自己主張がはっきりしないという欠点も。基本的に1人は苦手、グループで動きたがる一面ももっています。

『青』を好む人→誠実で几帳面な理性的タイプ。判断能力に優れていて、何事にも慎重に取り組みコツコツと努力する粘り強さを秘めています。反面コンプレックスを抱えていることが多く、他人と比較しては落ち込んだりすることも少なくありません。規格外や基準以下のものを下に見る傾向があるので、自尊心を傷つける言動は厳禁です。

『紫』を好む人→直観力と感受性が鋭い芸術家器質。美的感覚と直感に優れ、複雑なパーソナリティが神秘的な印象を周囲に与えます。反面人の好き嫌いが多く、心を開くには時間がかかります。少々天邪鬼な一面もあるので注意が必要です。

 

あの人の心を読み取ろう!ピンク・茶色・白

『ピンク』を好む人→可愛らしく甘え上手なロマンティスト。自然と周囲からの助力を引き出せてしまう、魅力に溢れた得な人です。反面、この色を好む男性はデリケートなタイプが多く、女性は依存心が強い夢見がちなタイプが多いと言われています。気分の変化が激しい一面があるので、優しく大切に扱われていると感じてもらえるように働きかけるとよいでしょう。

『茶色』を好む人→質実剛健、堅実をモットーとする心温かい人。一見無愛想なところもありますが、実はとても心が温かく、本物を鋭く見抜く目を持っています。反面自分の正しさに絶対の自信を持つあまり、他人の意見を聞き入れ難いところがあります。「相談」という形で話をすることで、スムーズに意見を聞いてもらえます。

『白』を好む人→潔癖で正義感が強い正直者。強い信念と正義感で人から尊敬を集めます。反面自分にも他人にも厳しい一面が。普段から緊張感が強くストレスを溜め込みやすいので、リラックスできる一時を演出してあげると効果的です。

 

あの人の心を読み取ろう!灰色・黒

『灰色』を好む人→堅実かつ実直、強い信念を秘める人。表立って目立つことはありませんが、合理的な思考でなんでもそつなくこなしていきます。協調性にも富んでいますが、反面衝突を避けるあまり優柔不断になりがち。対人関係にも無関心になる傾向があるので、周囲から働きかけてあげると良いでしょう。

『黒』を好む人→個性的で感受性が鋭い一匹狼。誇り高く、あくなき探究心で1つのことを突き詰めていく力を秘めています。反面他人とは一線を引いて付き合うため、心を開くのには時間がかかります。子ども扱いされるのは苦手なので慎みましょう。以上、11色を見てきました。

あなたや、あなたの気になる人はあてはまりましたか?関係性を一歩深めるための、参考にしてみてくださいね。

 

ビジネスにおいても恋愛においても、その他人間関係すべてにおいても。色は視覚から入り、思考や感情へと働きかけます。日常生活を見渡してみても、営業、建設、販売から福祉、介護の世界まで、いまや色の効果が使われてないところはないといっても過言ではないでしょう。

色を知り活用することで、あなた自身や周りの人の気持ちを、良い意味で『有利に操作する』ことも可能です。調べればまだまだ奥が深い『色彩心理学』。その一端をご紹介しました。

興味がわいたという方はぜひ、もっと詳しく調べてみると面白いかもしれませんよ。難しく考えることは何もありません。楽しみながら日常に、あなたが心地よいと思える色を取り入れてみてくださいね。

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