コミュニケーション能力をゆっくり確実に磨く基礎練習

コミュニケーション能力とはどんな人間にも備わっている能力です。訓練次第で誰でも使えるようになる技術ですが、身につけようという気持ちと行動がなければいつまで経ってもうまくはならないですよね。

「コミュ障」なんていうスラングが溢れていますが、多くの場合ただの会話ベタであり、実際にコミュケーション能力に障害がある方は一握りでしょう。

好きな異性、職場の同僚、上司、部下、友人、様々な人間関係の中で生きているわけですが、今よりもほんの少しだけ気持ちをうまく伝えられたら、どんなにストレスがなくなることでしょうか。

コミュケーションも筋トレと同じで少しずつ訓練していけば、筋肉や体力が付くように、その能力を広げていくことが出来るのです。今回は、少しずつでもコミュケーション能力を磨くための基礎的な練習方法をお伝えします。

相手をよく見る

コミュケーション能力とキャッチボールはよく似ています。相手がいることで成立します。相手に投げかける言葉は「ボール」です。

相手に言葉をうまく伝えられないと感じている人は、相手を見ずに目をつむってボールを投げていませんか?キャッチボールでは、相手が受け取りやすい胸のあたりを目標にボールを投げます。

言葉も同じで、相手に伝わりやすい位置、つまり相手に理解しやすい言葉を投げることで、うまくコミュケーションが成立します。普段からコミュケーションに違和感を感じている人は、目を開いて相手を見る練習からスタートしてください。

 

相手の感情に寄り添う

コミュケーション能力が問われる部分で重要な役割を担う「感情」。人は共感してもらいたくて話をすることがあります。悩み相談の殆どは、「共感」するだけで解決してしまうことが多いですよね。

相手の言葉とも伝わる「感情」を感じ取ってみましょう。「嬉しい」「悲しい」「怒っている」「楽しい」様々な言葉で表現できますが、あなたが相手の言葉から感じ取った感情を言葉にしてみましょう。

「それは○○しいよね」と伝えるだけで、感情を理解してくれたことが相手にも伝わります。たとえその読み解きが間違っていても心配いりません。

「相手の心に寄り添う姿勢」を相手に見せることそのものが、コミュケーション能力の基礎練習のひとつなのです。

 

相手の言葉をなぞる

コミュケーション能力において「言葉の数」、「語彙の多さ」は重要ですが、たくさんの言葉を覚え、会話に活かすためには時間がかかりますよね。

難しい言葉をたくさん覚えることを急がなくても、相手の発した言葉を繰返すこともコミュケーション能力の基礎練習となります。

繰り返したあとに、感情に寄り添う一言を付け加えたり、興味を持った点を質問すると会話が盛り上がることがあります。

「○○なのか、辛かったね」や「○○なんだ!すごいね、どこで買ったの?」など「相手の言葉」+「自分の感情」または「興味+質問」など、ひとつの形式を作っておくと会話を簡単に楽しく弾ませることが可能ですよ。

先程も説明したように、相手とのキャッチボールなので変化球を投げる必要はないのです。

 

相手や言葉を丁寧に受け止める

コミュニケーション能力のポイントが「キャッチボールである」ならば、投げるだけでなく相手の言葉を丁寧に受け止めることも重要になりますよね。

それには相手が投げてきたボールつまり「言葉」をよく見てください。声の調子、声の強さ、声の早さ、言葉に乗った感情はそれぞれどんなものでしたか?

内容が軽ければ、軽く受け止め、重々しい内容であれば体全体でしっかり受け止めなければなりません。時にはボールではなく尖った石のような言葉や刃物のような言葉を投げてくる人もいます。

そんなときは身を翻してかわさなければ、自分の心が傷ついてしまいますよね。相手の言葉がどんな種類のものか、見極め、受け止めることがコミュニケーション能力を上達させる重要なポイントなのです。

 

相手との違いを受け入れる

コミュニケーション能力の基礎をいくら練習しても、「相手と自分は違う人間である」という認識がなければ、その基礎は砂の上に立てられたお城のようなものです。

親しい間柄になればなるほど、自分と同じ考え、価値観を持っていてしかるべきだ、と思い込んでしまうことが誰にでもありますよね。

親であれ、家族であれ、恋人であれ、それはあなたとは別の人間であり他者なのです。違う価値観、考え方を持っているものだ、ということを受け入れて、初めて人と人はコミュニケーションができるのです。

「価値観が異なる=嫌いな人」という図式の果てには、ケンカや戦争が待っています。自分も相手も尊重することは、コミュニケーション能力を鍛えるためには避けて通れない道なのですね。

 

コミュニケーション能力は、人間が社会的な生き物である限りは不可欠な要素であることはおわかりいただけたと思います。インターネットがどんなに発達しようとも、コミュニケーションの根幹は変わることはないでしょう。

自分のことも相手のことも理解しよう、共感しようとする姿勢こそが重要です。言葉はそのための道具に過ぎません。しかし、その道具を手入れしたり、使い方をよくわかっていないと自分も他人も傷つけてしまうことになりますよね。

そうならないためにも、コミュニケーション能力の基礎を鍛える必要があります。コミュニケーション能力の基礎とは単純なものです。単純だからこそ、複雑な現代社会でブレずに生きていくための心強いスキルになるはずなのです。

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