パワハラとは、職場での権力等、立場を利用した嫌がらせの事です。上司が部下に対して行うケースが多くありますが、先輩が後輩に対して行う場合や立場の低い職員に対して同僚が嫌がらせを行う等、様々なケースがあります。
近年、職場内でパワハラという名の暴力や仲間外れ等のいじめ行為が行われている実態が明らかになっており、社会問題となっています。自分がパワハラを受けていると感じたらどの様にパワハラの相談をすれば良いでしょうか。
大切なのは一人で悩まず、パワハラについて他の人に相談する事です。パワハラを解決する為には、多くの人の協力が必要です。今回は、自分がパワハラを受けた際にどの様に行動すれば解決出来るのか、整理したい5つのポイントについてお伝えします。
自分がパワハラを受けている証拠を揃えよう
パワハラの相談をする前に、まず整理しておきたいのが、「いつ・どこで・誰に・どういう行為をされたのか」という点です。その為に、自分がパワハラを受けたという証拠を揃える事から始めましょう。
メモやメール等、形に残るものを揃えると客観的事実を伝える事が出来ます。人によっては、ICレコーダー等を使い音声を録音しておくという人もいます。
パワハラが日常的に行われているという人は携帯電話等を使って録音しておくのも良い方法です。この様に証拠が残っていれば、パワハラの相談をした時に、話を進めやすくなります。
なぜパワハラをされるのか理由を整理しよう
もう一つ、パワハラについて相談する前にやっておきたい事があります。それは、なぜ相手がその様な行為をするのかという点です。パワハラの原因の一つに、コミュニケーション不足によるトラブルが挙げられます。
職場間でのコミュニケーションが不足すると誤解が生じ、パワハラを受けたと感じやすくなるかもしれません。あるアンケートでは、多くの上司が部下の成長や育成を考えて、きつく叱る事もあると答えています。
パワハラ自体は許されるべきものではありません。しかし、怒られる原因が自分にあるという事もあるかもしれません。遅刻や無断欠勤、居眠り等、自分に非があるという事はないでしょうか。
自分の行動を振り返り、相手と良好なコミュニケーションを取る様にしましょう。そうする事により、状況が改善したというケースも報告されています。
社内で相談出来る場所を確認しておこう
こちらが努力しても、相手とコミュニケーションが取れず、理不尽な理由で嫌がらせ等を受けていると感じているなら、一人で悩まず早急に相談しましょう。まずは、社内でパワハラ相談が出来る場所を探す事から始めましょう。
労働組合がある企業であれば、労働組合に自分がパワハラを受けていると相談して下さい。最近では、パワハラ専門の相談窓口がある部署もあります。人事部がある会社は人事部にパワハラの相談をしても良いでしょう。
人事部に相談する事で、所属部署の変更等を検討してもらえる事があります。労働組合が無い企業はどうすれば良いでしょうか。パワハラをしている人よりも上の立場の人に相談する事が出来るかもしれません。
ここで注意したいのは感情的にならないという事です。感情的になるなら、取り合ってもらえないだけではなく、「告げ口」等と捉えられ、自分へのパワハラが更に酷くなってしまう事もあります。
そうした二次被害を避ける為にも、しっかりとした証拠を提示し、自分がパワハラを受けている事実や問題点を客観的に指摘するなら解決の為に動いてもらえるでしょう。
社外の専門機関に相談しよう
社内でパワハラの相談をしても解決されない場合、社外の専門機関に相談する事で状況が改善される場合もあります。ここでは、社外でパワハラの相談が出来る専門機関を幾つか紹介します。
一つ目に紹介したいのは、労働基準監督署です。労働基準監督署とは、各都道府県に設置されており、パワハラに関する相談をする事が出来ます。
労基署に相談すると、事情を確認する為に、その企業の役員から話を聞いたり、労基署の職員が会社に視察しに来る事もあります。労基署は会社に対して是正勧告や指導を行うので、企業全体としてパワハラ体質がある様な場合、労基署に相談すると良いでしょう。
厚生労働省にある総合労働相談センターでもパワハラに関する相談が出来ます。電話でも相談を受け付けているので、その場に行く時間のないという人は、まずは電話だけでもかけてみる事をお勧めします。
共に戦う仲間を増やそう
企業全体にパワハラの体質がある場合、自分以外にもパワハラを受けているという人がいるかもしれません。同じ境遇にある人が集まる事は、幾つかメリットがあります。
一つは、お互いに支え合う事が出来る点が挙げられます。パワハラの問題はすぐには解決しません。同じ仲間がいるだけで、パワハラに負けない強い気持ちを持つ事が出来るでしょう。
パワハラについて相談する一番の理由は、状況を改善させる事です。多くの仲間がいれば、それが力となり、職場のパワハラを解決する事が出来るでしょう。この様に、職場内で同じ状況にある人に、自分もパワハラを受けていると相談する事は、仲間を増やす良い方法となります。
自分がパワハラを受けていると感じたら、一人で悩まない事が大切です。自分がパワハラを受けていると相談する事はとても勇気のいる事かもしれません。パワハラについて相談する真の目的は、状況を改善する事です。
ここまで考えてきた5つのポイントに従って行動するなら、状況は確実に良い方向に向かっていくでしょう。近年、パワハラの概念も多様化しており、パワハラに該当するものか判断が難しいケースもあります。
自分がパワハラ被害に遭わない為にも職場の仲間とのコミュニケーションを良く取り、パワハラについての認識を揃えておく事も重要でしょう。パワハラの被害はすぐには解決されない問題かもしれません。強い気持ちを持ち、取り組む事が大切です。
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