子育てストレスを甘く見ると家庭が崩壊してしまう悲劇例


「イクメン」なる言葉が流行り、以前よりも子育てに参加する男性も増えてきています。しかしながら、まだまだ女性に掛かる負担は大きく、子育てに関わるストレスは依然として大きくのしかかっています。

結婚前に夢見ていた、愛のある、笑いの絶えない幸せな家庭。夫婦がいて、子供たちがいて…。しかし実際に結婚して子供ができると、現実は夢のような毎日ばかりではなく、夜泣きに風邪そしてケガなど、何かと毎日問題が起きて上手くいかないことだらけです。

睡眠不足の上に自分の時間はほとんど無く、ストレスは蓄積されるばかり。そしてついに耐えられなくなり…今回は、子育てストレスが原因の悲劇的な例を参考に、どのように対応すればその悲惨な状況を回避できたのかをお伝えします。

夫婦間で家事や育児の分担を決めて守りましょう

『里帰り出産から2ヶ月して自宅に戻ると、家の中はゴチャゴチャ。夫はまるで独身貴族のように生活していて、子供が泣くと「どうにかしろ!うるさい!」などという暴言を吐く。妻は子育て、家事、夫の面倒、とすべてを請け負い四苦八苦。

夫は会社の飲み会や週末の趣味などでほとんど子育てに参加する意図が見えない。極めつけは「子供がうるさくて寝られないし、落ち着くまでもうしばらく実家に帰ってたら?」妻は離婚も考えながら実家に戻るという結論に達した』夫が育児に積極的ではない場合、夫婦間に深い亀裂が入る恐れがあります。

そしてそれは子供たちが成長してからも、妻の中にトラウマとして残っていきます。「子供を持つ」とふたりで決めたなら、お互いに協力し合っていくべきでしょう。どちらかだけに大きな負担が掛かるのは望ましくないし、子供にも男親との時間が必要です。家事育児を分担し、きちんと守っていきましょう。

 

妻が自分だけで過ごせる時間を作りましょう

『夫は社内でも特に忙しい部署に所属していて、子育てに参加する意思はあっても思ったようには手伝えていない。たまに早く帰れる日には、お風呂に入れたり遊んだりオムツを替えたりと張り切るが、めったに早くは帰れない。妻は出産前までは正社員でバリバリ働いていた。

あまりの生活の違いから「自分の時間が全くない!」「何も思い通りにいかない!」「私ばかり不公平!」「私も仕事をしたい!」と半ば発狂寸前の状態』この場合、妻は、子育てが仕事のように上手くいかないのでイライラが溜まっていて、夫の生活は子供が生まれてからもほとんど変わらないのは不公平という気持ちです。

近くにお互いの両親がいるならサポートを頼んだり、保育所や信頼できるベビーシッターを捜すなど、妻自身だけの時間を作る努力や、仕事に復帰させるなど、ストレスを軽減しなければなりません。もちろん夫はできるだけ早く帰宅できるように引き続き努力しましょう。

 

100%完璧にできなくていいと理解させましょう

『妻は、睡眠不足に疲労困憊で通常の思考能力が失われてしまったらしく、まるで歩くゾンビのよう。生気がなく、フラフラしていて、声を掛けても反応が鈍い。夫はできる限りサポートしているが、休日が日曜日だけの職場のため、限りがある。

日曜ぐらいは寝てもらいたいが、母乳育児のため寝だめができない。夫は妻が心配でたまらないが、どうしていいのかわからなくてオロオロするのみ』子育てに関しては特に、すべてを完璧にやる必要はないのです。

全部をこなそうとするから眠る時間もより少なくなるし、100%を目指すためにより疲れてしまい、育児ノイローゼになってしまいます。子育ても家事も、手を抜くことが非常に大切です。完璧主義者には大変難しい要望ですが、勇気を出して基準を下げるようにしましょう。そうすることで、妻の緊張が和らぎ、家庭内に平和が戻ってくるはずです。

 

人生を共に歩むと決めた相手は誰なのか、再確認しましょう

『夫の実家で両親と同居生活。妻は3人の幼い子供を抱え、さらに姑との関係もあまり良くないため毎日が戦いのよう。ことあるごとに口だけ子育てに介入してくる姑に飽き飽きしていて、ストレスが溜まっている。姑は、基本はただ家に住まわせてくれるだけ。

料理もほとんと妻が全員分作っている。子育て同様、料理にも口を出すが、あまり手伝ってはくれない。姑の悪口を言うと夫は不機嫌になって、理解するどころか「お袋の言うほうが正しい」と、姑の肩を持つことがよくある。

妻が別居を提案しても、夫は「生活費が掛かるから」と反対。妻は爆発寸前』夫が結婚したのは妻である女性。もちろん母親は大切です。しかし母親はあくまでも自分の母であって、家庭を作り、人生を共に歩もうと決心した相手ではありません。

妻にとって一番の理解者であるはずの夫が妻の立場を理解せずに、誰が守ってくれるのでしょうか。ここはまず、妻と夫がとことん話し合い、家庭内の平和を築くためにはどのようにすればいいのかを具体的な案を出して決めて行動していくべきです。

 

妻の苦しみを分かち合いましょう

『妻は「子供が言うことを聞いてくれない!」とヒステリー気味。彼女の叫び声が家に響き渡る。子供に怒鳴ってもまだ幼いから理解できないだろうに、そんなことはお構いなし。どうしても言うことを聞かない時には軽くつねっている。このままでは手を上げてしまいそう。

夫にも不平不満を言うが、夫は我関せずという感じで知らん顔』生涯の伴侶として選んだ相手が苦しんでいるのに、夫は無視。これではあまりに無責任です。喜びも悲しみも苦しみも分かち合うと約束して結婚した時のことを思い返してみましょう。

子育ては妻の「仕事」ではありません。両親共の「義務」です。このままでは幼児虐待に発展しかねません。妻がなぜそのような状態になっているのか、まずは話を聞いてください。

問題を共有することで連帯感も感じられるし、夫も子育てに参加している自覚が生まれ、お互いに新しい気持ちで家庭を築いていけるでしょう。

 

ママ友たちとの付き合いも大変だと知りましょう

『5人グループのママ友との付き合いが難しくて毎日疲れ切っている妻。夫にそのことを相談すると「お前は毎日楽しく遊んでいられていいよな。働かなくていいし。仕事の付き合いなんてそんなもんじゃないよ。

我慢しろよ、それぐらい」と、心無い言葉を浴びせ、全く理解を示さない。妻はグループ内に気の合うママ友がいないため、付き合いが非常に苦痛。

気が休まる場所がないため、子供に言葉で当たってしまうことが多い』ママ友との関係は、子供同士が仲が良かったりママ同士で意気投合して付き合っている場合もあるし、グループが同じために嫌々一緒にいる場合もあったりといろいろです。

まるで会社の同僚との関係と似ていますが、自分だけでなく子供も含んだ関係なので、より複雑です。比べたり比べられたりすることもあるし、神経質な女性だと細かいことにもいろいろ悩むことが多く、楽しいどころかストレスが溜まる一方でしょう。

子供のために頑張っている妻の悩みを夫が理解し、一緒に解決策を考えようという態度を見せれば、妻にとって大きな励みとなるはずです。

 

感謝の気持ちを伝えましょう

『妻が産休を終えて仕事完全復帰後1ヶ月が経つ夫婦。家事も子育ても分担しているが、顔を合わせれば大声で責め合いの喧嘩ばかり。お互い体力的にも精神的にも疲れ切っていて、心に余裕がまったくない状態。

朝はバタバタ、保育園に子供を預けて職場へ、仕事を終えて子供を保育園に迎えに行き帰宅、夕食、家事、お風呂に入れて寝かしつけ… 家庭内は整理整頓もされずにまるで戦場のよう』共働きの夫婦は、子育てを協力するだけでなく、特にお互いに感謝の気持ちを伝えることを決して忘れてしまってはなりません。

「してあげている」という押しつけの態度は極力慎み、夫から妻、妻から夫に、何かをしてくれたら必ず言葉にして感謝の意を伝えること。子供が乳幼児のときには特に手がかかるので本当に大変ですが、幸せな家庭を築く大事なパートナーへのねぎらいを忘れずに。

人間は感謝をされると、不思議とエネルギーが湧いてくるものです。疲れていても、お互いを認め合い、感謝し合い、協力し合って、穏やかな日々を過ごせるように努力しましょう。

 

さて、たかが子育てと軽く見ていると、今回ご紹介した7例のような状況に陥る可能性は誰にでもあります。子育ては、睡眠不足の状態で、身体と精神両方の労働を要します。

それも9時−5時で解放される仕事とは違い、特に乳幼児の間は毎日24時間態勢だということを忘れてはいけません。夫婦が協力し、まわりに助けを求め、気分転換を図りながら適度に手を抜くことが大切です。

そしてお互いの状況を極力理解して、感謝の心を忘れないようにしましょう。そうすれば、忙しくても疲れていても、愛のある幸せな毎日を送ることができるに違いありません。

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