自信を持つだけで仕事も家庭も円満に進む!そのメンタル術


自分に自信がなく、なかなか行動に踏み出せない。仕事でも家庭でも、うまく行くイメージが描けず、実際に失敗を繰り返してしまう…そんな人はいないでしょうか。行動に踏み出し、成果をあげるためには、自信を持つことが大切です。

心理学に、「自己効力感」という概念があります。「自分が行為の主体であると確信していること、自分の行為について自分がきちんと統制しているという信念、自分が外部からの要請にきちんと対応しているという確信」のことです。

この自己効力感が高い人は、自分に対して「自分ならできる、ちゃんとやれる」と感じている、つまり、自分に自信がある人だということができます。

同じ事柄に対しても、自己効力感が高く、自分に自信がある人は「できそうだからやってみよう」と行動に移すことができますが、自信がない人は「できそうにない」とやる気も出ず、またなかなか行動に踏み出すこともできません。そこで今回は、自信を持つためのメンタル術を5つ紹介します。自信を持ち、仕事も家庭も円満に進めましょう。

自分の強みを見つけよう

経営学者のピーター・ドラッカーは、次のような言葉を残しています。「何事かを成し遂げられるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。」仕事で成果を上げるためには、自分の強みを最大限に生かすことが重要であり、弱みに着目してそれを改善していったとしても最大の成果を上げることはできない、という意味です。

逆に言えば、自分の強みを理解し、それを最大限に生かして成果を出したときに、より満足感を覚え、より強い自己効力感を得ることができ、自信を身に付けることができるのです。

自分のことは自分がよく知っていると考えがちですが、「あなたの強みは何ですか?」といわれると、意外と即答できないという人も多いのではないでしょうか。まずは自分の強みを把握することが大切です。

例としては、プレゼンは苦手だが、文書によって自分の意見を伝えることに強みがある…などです。自分の強みを知るためには、以下の質問を自分に投げかけてみるのが有効です。

・最大の達成、成功は何か

・自分の好きなところはどこか

・何をしているときが一番楽しいか

・どんなときに自分らしく感じるか

・自分がベストで最高のときはどんなときか

その他、インターネット上では自分の強みを知るためのツールも提供されています。それらを活用してみてもいいかもしれませんね。

 

毎日小さな目標を立て、達成しよう

自信をつけるためには、小さなことでも構わないので、成功体験を味わうことが効果的です。自分で設定した目標に向かって、必要な「実体験」を積み重ねる必要があるのです。

たとえば、泳げない人が泳げるようになるためには、ただ泳ぎ方の知識を習得するだけでは不十分です。水に浮く、顔を水につける、ビート板を使ってバタ足で前進する…と実際に段階を踏みながら体験を重ねることで、徐々に「わたしは泳げるんだ」という自信をつけ、どこでも泳げるようになるのです。

そこで、毎日小さな目標を立て、それを達成するようにする、という方法がオススメです。なるべく、大きな目標を小分けにしたものがいいでしょう。

たとえば、今年「仕事と家庭の両立」という大目標を掲げた人は、毎日「定時に退社し、家族と夕食を食べる」や「洗い物を手伝い、家族の負担を減らす」といった、1日で完結する目標を立て、確実に達成することで、「わたしは目標を達成できる」「大きな目標に向けて着実に進んでいる」という自信を育てることができます。

ポイントは、最初から大きな目標を立てすぎないこと。壮大な目標を立てて達成できないより、身近な目標でも達成できた方が自信につながります。

 

他人との約束を守ろう

他人の約束を守ることは、人として当然の心がけですが、自信を養う上でも大切です。なぜなら、他人との約束を破ることが、自己嫌悪、さらには自信喪失につながるからです。

たとえば、「部下の育成」を大目標として掲げているビジネスパーソンがいたとします。今夜その部下と個人的なミーティングの時間をとる、と約束していたにも関わらず、その約束が守れなければ、部下の信用を失うだけではなく、約束が守れなかった自分に対する自己評価も下がります。

自己評価が下がれば、自己効力感も下がり、自信も持てなくなってしまうのです。日常の一つ一つの事柄が、意識していないつもりでも自己評価に影響を与えています。最初から守れないと分かっている約束は、しない勇気も大切です。

 

尊敬している人のまねをしよう

自己効力感を形成する方法として、「お手本を見習う」という方法があります。うまくいっている他人の行動を観察することで、「代理体験」を得る心理的効果が生まれます。

人は自分に近い立場の人が困難と思われることを成し遂げたとき、自分にもそれを達成することが可能だと思えることがあります。「あの人もできたんだから、自分も大丈夫だ」と、失敗の恐れやうまくいかないことへの不安が解消される、これが代理体験の効果です。

仕事では、上司や先輩をお手本とするとよいでしょう。ただ漠然と憧れるのではなく、自分が必要としているスキルを体現している人を選んで自らの見本とすることが大切です。

 

他人の価値を認め、感謝しよう

なぜ自己効力感を高めるために、他人の価値を認める必要があるのか、と思う人もいるかもしれませんね。他人に厳しい評価をしたり、こき下ろしたりする人は、自分に対する評価も厳しくなりがちです。

自分にも他人にもあまりにも厳しい評価基準を課して、自信を失い、周囲との関係もうまくいかなくなってしまうという人はたくさんいます。

一度自分の周囲で、みんなに認められ、いつも感謝されている人のことを思い浮かべてみてください。その人は決して、他人をこき下ろしたり、他人の価値を否定したり、周囲に感謝せず自分の力だけを誇示したりはしていないはずです。

他人を尊敬する人間の元には尊敬が、感謝する人間の元には感謝が戻ってくるものです。逆もまたしかりです。自分の価値を認めてもらい、感謝されることによって自信をつけたい、と思ったら、まずは自分から他人の価値を認め、感謝を表現しなくてはなりません。続けていると、じわじわと変化が現れます。

 

自分は今までの人生で華々しい成果を上げたこともないし、何かをやり遂げたこともない。お世辞にも能力も高くない。だから自分に自信が持てないんだ…と思っている人がいるとしたら、それは間違いです。

成果が上げられないから自信が持てないのではなく、自信がない(自己効力感が低い)から行動に踏み出せず、成果が上げられないのです。

自信がないと、自己嫌悪に陥り、発想がネガティブになります。「どうせ私にはできない」といった言葉が口癖になり、ますます卑屈になっていきます。負の感情の連鎖に陥ってしまうのです。

こんな状態では、仕事も家庭も円満に進めることなんて到底できません。自信のない人にとっては、卑屈でネガティブな思考は習慣となって繰り返されてしまっているので、最初は多少無理やりでも意識して思考回路を変える必要があります。

そのためには、まず自分の強みを知ること。そして、毎日どんな小さな目標でもいいので達成し、成功体験を積み重ね、他人との約束を守ることで自己評価を高めること。また、尊敬できる人のまねをすること。

最後に、他人の価値を認め感謝することで、自分の周りに、自他の自信が育つようなポジティブな流れが循環するように働きかけること。これらを日々気をつけることで、自信に満ちた思考も、必ず自分の思考の習慣として身につけることができます。ぜひ今日から取り組んでみてください。

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