つい食べ過ぎた…翌日の腹痛を回避させる3つの魔法

つい食べ過ぎた…翌日の腹痛を回避させる3つの魔法

食べ過ぎで腹痛になってしまった経験はありませんか。美味しいものや大好物が目の前にずらりと並んでいると、ついつい調子に乗ってあれもこれもと食べ過ぎてしまいますよね。気がついたら自分の胃袋の限界量をとうに超えてしまっていて、腹痛や吐き気に苦しんだことは、誰しも一度は経験がおありなのではないでしょうか。

「食べ過ぎないようにすればいい」というのは百も承知だけれども、それでも食欲に負けてしまうのが人間の弱さ。そもそも食欲は、人間の四大欲求に数えられているもののひとつですから、抗うなという方が難しいものです。それならば食べ過ぎによる腹痛を軽減させる、翌日へ持ち越さないようにする知恵も必要。今回は食べ過ぎによる腹痛の対処法をお伝えします。

食べ過ぎによる腹痛の原因とは

食べ過ぎによる腹痛の原因は、少なくとも3つは挙げられます。

1つ目は消化不良。空腹なところに、いきなりドカドカと大量の食べ物が詰め込まれると、胃がびっくりしてしまって上手く作用しなくなり、結果として食べ物を消化しきれなくなってしまうのです。これには胸焼けや、胸から腹にかけてムカムカする、吐き気がするなどの症状が出てきます。

とはいえ、胃が少しずつ動いてくれば改善されていきます。無理に動かず、少し休んでいれば、次第に食べ物が消化されていって症状も和らいできます。しかし、どうしても苦しさが長時間続くようであれば、消化促進薬を服用する手もあります。

2つ目は、胃腸の動きが弱い人が、暴飲暴食を行った末に起こるもの。元から胃腸の弱い人は、食事摂取量の限界も心得ながら食べることも出来ますが、断りきれない事情や状況もあるでしょう。

また普段は胃腸に自信がある人でも、「体調不良だから精力をつける」という目的でガッツリ食べてしまったりすると、弱っていた胃腸に大ダメージが与えられ、かえって悪化してしまうというケースもあります。

どちらにせよ、これらの食べ過ぎによる腹痛は、胃の働きが弱まっているところに過重労働させてしまうことで、胃腸がかえって疲れきってしまって起こるものです。酷ければ下痢も併発し、脱水症状を起こしてしまうこともあります。

3つ目は、胃液の過剰分泌によるものです。これはどちらかというと、普段からストレスを溜めている人、感じやすい人によく起こります。食べ物を多量に摂取し過ぎると、それを消化しようと大量の胃液が分泌されます。

普段から過剰分泌しやすいところに、さらに胃液を大量分泌させるきっかけを作ってしまうわけですから、食べ物の消化どころか、胃の粘膜まで溶かして傷つけてしまうのです。これは胃潰瘍と同じ構造であるといえます。

食べ過ぎによる腹痛には、それぞれ異なった特徴があります。これらを判別し、適切な対応をとることが大切です。

 

軽い運動で消化促進を促す

「苦しくて一歩も動けない!無理!」という人であれば無理に行う必要はありませんが、動ける程度の食べ過ぎによる腹痛であれば、軽い運動によって消化が促進され、痛みが軽減されることがあります。

食べ過ぎによる腹痛は、辛さのあまりついつい背中も身体も丸まってしまいがち。しかしそこをあえて背筋を真っ直ぐにし、下腹部と太ももが伸びるくらい大股でウォーキングすると、少しずつですが胃腸が動き始めます。最も簡単に出来る消化促進法ですから、試せる方は試してみましょう。

また、胃痛を軽減するストレッチというものもあります。まず壁に向かって平行に立ち、肘を真っ直ぐに伸ばして両手を壁につけます。おなかは苦しいでしょうが、背筋は出来るだけ真っ直ぐに伸ばすようにして下さい。

それから、膝をゆっくりと引き上げます。この時、腹筋で膝を引き上げるイメージで、腹筋を意識しながら膝を上げるのがコツです。おなかが苦しくない程度に膝が上がったら5秒ほど止め、またゆっくりと下ろします。終わったら、反対側の膝も同じように繰り返します。

両膝の上げ下ろしを1セットとして、5セットほど行うと効果的です。もちろん、おなかが苦しいようなら少なくても構いませんし、もっと動かせるようなら多くても大丈夫です。自分の身体の具合にあわせて増減は可能ですので、くれぐれも無理はしないようにして下さい。

このストレッチは背筋を伸ばし、軽く運動することで、胃腸を刺激し胃腸の消化を促します。苦しい時は横になりたくなるものですが、消化しようとしている胃液が逆流することもあるので、食べ過ぎによる腹痛でも軽く動ける程度の痛みであれば、この方法でより早く苦痛が軽減されますよ。一度お試し下さい。

 

薬の服用も注意が必要

薬の服用は最も手っ取り早く効果が出るのでつい手を伸ばしがちですが、実は胃腸薬を常用し続けていると、副作用が出てくることはご存知でしたか?胃腸薬は確かに便利ですが、漫然と飲み続けるものではありません。

まして、「今日はたくさん食べる予定だから……」と、予防目的で食べる前に胃腸薬を服用するなど、もってのほかです。その理由は、胃腸薬によって消化が促進されすぎると、今度は胃が怠け始めてしまい、本来の働きが出来なくなってしまうからなのです。

骨折などで入院したりすると、静養期間中に筋肉が落ちて動くのがしんどくなるでしょう?それと同じことで、身体の器官は活動させないとすぐに働かなくなってしまうのです。

また最近では、胃腸薬に含まれる成分によってカルシウムの吸収が阻害され、骨粗しょう症になりやすくなるという研究データが上がってきています。慢性的に胃腸薬を服用している人は、1度専門医に相談した方がいいかもしれません。

ただし、これらはあくまでも「慢性的に服用している」ケースであって、1回2回の服用でそうなるわけではありませんので、そこはご安心下さい。上手に使えば、胃腸薬は食べ過ぎによる腹痛にとって、頼もしい味方となります。

食べ過ぎによる腹痛に効く胃腸薬は、大きく分けると2種類あります。1つめは胃酸が出過ぎて胃痛が起きている場合、つまり「胃酸過多タイプ」に効果がある薬。胃にキリキリとした痛みが走る、吐き気や胸焼けが主な症状です。この症状が出ている場合には、胃酸の分泌を抑制するH2ブロッカーや胃粘膜修復薬、制酸薬、複合胃腸薬が有効です。

2つ目は食べ過ぎにより消化が追いつかず、胃腸の動きが鈍ってしまっている「消化不良タイプ」に効果がある薬。食事がなかなか消化されないので、胃もたれや吐き気、腹痛が起こるのが主な症状です。この症状が出ている時は、胃酸の働きを助ける消化薬、健胃薬が有効になります。

いずれにせよ、薬は即効性があって便利なものですが、過ぎれば毒にもなります。また自己判断で薬を服用するのも、症状の悪化に繋がる可能性があるのでおすすめ出来ません。服用したい時には、必ず店頭の薬剤師や登録販売者に症状を伝え、適切な薬を選んでもらって下さい。それが一番安全な服薬方法です。

 

食べ過ぎた翌日のケアも大切

腹痛が起こるほどの食べ過ぎは、当然ながら身体にとって良いことではありません。胃腸に過剰な負担をかけてしまっているため、普段よりも弱っている状態です。さらに食べ過ぎは肥満に繋がり、やがては病気にも繋がっていきます。「あんまり美味しくて、ついつい調子に乗ってしまって……」という気持ちは分かりますが、食べ過ぎによる腹痛を繰り返すことは、百害あって一利なしです。

しかし、翌日のケアでいくらかではありますが、前日の失敗を軽減することは出来ます。それは次の日のメニューは、野菜中心の食事を摂ること。けして野菜オンリーにする訳ではなく、普段よりも肉類やごはん、パンなどの摂取量を減らし、代わりに野菜を摂るということです。

食物繊維が多く含まれている豆類やきのこ、海藻類や、ビタミンが多く含まれた野菜を摂るのが最良ですが、いくら身体のためとはいえ、生野菜をたくさん食べるのはかなり困難でしょう。ですから、薄味だしで作った野菜の煮物や、野菜をたっぷり入れたコンソメスープをおすすめします。

煮物は噛むことで少量でもおなかを満たしますし、コンソメスープは野菜をたくさん摂れる上、身体も温まるので、弱った身体には絶好のメニューです。食べ過ぎによる腹痛を起こした次の日に絶対してはいけないのは、「食事を抜いてしまう」こと。

いくら弱っているとは言っても、身体の機能は自分の意思では止められません。胃腸は通常通りに働こうとします。長時間身体に食べ物が入らないと、通常の働きなのに胃酸の分泌で胃の粘膜が荒れてしまい、かえって胃腸の調子が悪くなってしまいます。

またその状態が長く続くと、身体が飢餓状態だと勝手に判断し、少しの量でも必要以上に吸収して栄養を蓄えようとします。結果、太りやすい身体になってしまうのです。

腹痛を起こすほど食べ過ぎてしまったことは、もう仕方のないことです。ですから前向きに、少しでも身体が健やかになる方法を選びましょう。

 

食べ過ぎによる腹痛の原因と、その対処方法を3つお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。今現在食べ過ぎによる腹痛に悩まされている方は、ぜひお試しになってみて下さい。翌日まで持ち越して仕事が辛い……なんてことはなくなるはずです。

一番大切なのは、腹痛を起こすまで食べ過ぎないことですが、それが簡単に出来たら苦労はしませんよね。でも、こうした対処法を知っておけば、辛い時にきっと役に立ちます。

飽食の時代といわれる現代、美味しいものが本当にたくさんあります。食べることが好きな人なら、きっと誘惑が多くて困ってしまうくらいでしょうね。でも、まずは身体をいたわり、やさしくしてあげましょう。それが美味しいものを長く食べ続けられる、唯一のコツです。

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