あがり症を克服して人前での緊張を解消する7つの練習法

あがり症を克服して人前での緊張を解消する7つの練習法
『あがり症』とは、他人や大勢の前で話す必要性がある時といった状況において、急激な心拍数の上昇、声や手の震え、発汗といった症状が現れることですよね。今現在もこの症状に悩んでいる方はたくさんいらっしゃることでしょう。

よく「あがる症克服は慣れが大事」「場数を踏めば治る」といわれていますが、はっきり言います。「あがり症は『慣れ』では治りません」!ましてや気合や根性でどうにかなるものではありません。

確かに場数を踏むことである程度慣れるかもしれません。しかしそれは、いうなれば「ちょっと緊張が強かっただけ」ということなのです。あがり症の方にはなんの落ち度もありません。そこで今回は、安易な気合・根性論に惑わされず、正しい方法で克服していく方法についてお伝えします。ではご覧ください。

自分と向かい合い『状況を把握』しましょう。

何故、人は『あがる』のか、そのメカニズムを知っておきましょう。人間には「良く思われたい」「高い評価を得たい」「完璧にこなしたい」「欠点をかくしたい」といった、ごくごく当然の欲求が存在します。

この欲求がおびやかされかねない状況におかれると人は緊張し、さらにその度合いが強くなると震えやどもり、発汗などといった具体的症状として身体に反映されます。まずは、あなたの状態がどの段階にあるものなのかを把握しておきましょう。

【緊張】

通常の人であれば恐らく全ての人が体験するもので、もともとは危険から身を守るという、動物本来がもっている防衛本能です。脳が体全体にエネルギーを送り込み、何らかの危険が発生した際にいち早く対応するよう体が臨戦態勢をとっている状態と認識すると良いでしょう。

【極度の緊張】

緊張が『適度な状態』ならこちらは『エネルギー分泌過多』の状態です。緊張している自分を意識をしすぎるあまり、体が拒否反応を起こしている状態といえるでしょう。そのため、本来素早さや動き、集中力が冴えるはずの体が逆に硬直状態となり、却って危険を前に無防備な状態を晒してしまいます。

【あがり症】

極度の緊張状態に過去の経験が結びつくと、同じような状況が再現されるような状態に身を置くことで『悪い記憶』が蘇り、また繰り返すのではないかという恐れと重なって意識では心身をコントロールできなくなります。これが『あがり症』。もはやトラウマ(PTSD)と同じと言っても過言ではありません。

「慣れで克服できる」のは『(適度な)緊張』まで。『極度の緊張』『あがり症』となると、そんな単純な問題ではないようだというのはわかっていただけるのではないでしょうか。とはいえ諦めることも自己嫌悪に陥る必要もありません。まず自分がどの状況にあるのかをきちんと知り、向き合い、受け入れるところから始めましょう。どのような対策をとるにしろ、まずはそこからです。

 

緊張への『意識を変えて』みましょう。

緊張するのは当たり前です。緊張とは人が生きていくうえで必要不可欠な感情です。緊張そのものは、けしてあなたにとってのマイナス要素でも、あなたを邪魔する敵でもないのです。『あがる』という経験を多くしていると「緊張して嫌だな」と考えがち。

ですがこの感情も、なければないでまた不便です。状況に対し臨戦態勢を整えてくれなければ、大切な場面で十二分な能力を発揮できません。それどころか気の緩みから大きなミスだって起こしかねません。

『緊張すること自体は悪くない』『緊張は自分の能力を底上げしてくれる起爆剤』という風に、自分の意識を改めてみましょう。それに、緊張するということはあなたの思考が先を読む力に長けているということ。今この瞬間にしか意識がなければ失敗しようが何しようが、まったく関係ないでしょう?

『物は考えよう』なんてなんだか騙された気分になりますか?でもね、そんな簡単なことから意識を変化させるとっかかりはつかめるものなのですよ。

 

『自信をつける』ための3つの具体的秘策、教えます。

あがり症を克服するためにポジティブシンキングは必要不可欠、といってもそうそう簡単にはいきませんよね。そんなあなたのために、自信をつけるための3つの秘策、教えます。

1.1つ反省して3つ褒める

「自分のこんなところは直すべきかも」「ここはこうした方が良かったかも」と自分を省みることができるのはとても素晴らしいことです。ですが、反省点ばかりだとかえって自虐感情だけが高まってしまいかねません。

「ここは直すべきだけれど、ここはうまくいっていた」「今までよりちょっとゆっくりはっきりしゃべれた」というように、1つ反省したら3つ自分を褒めてあげてください。

きちんと自己を分析し、反省し、より良くなろうという向上心に溢れるあなたならば、自惚れたりはしないはず。自分の良い面にも目を向けてあげましょう。

2.練習の継続は力なり何事も、頭で考えるだけでは形になりません。

納得いくまで声に出し、実際に動くなどして『練習』してみましょう。現場に出てパニックになるのは、緊張のせいでその場でなにをすべきかが一気に飛んでしまうから。

もしくは思い浮かばくなるからです。ある程度体が流れを覚えていれば、まったく何もない状態よりは体が条件反射的に反応してくれることもあります。

なにより「練習した」という事実は心理的においても『お守り』になります。「練習したから大丈夫」という理由付けとなりうるのです。嘆く暇があったらどうするべきかを考えましょう。

3.いっそカンニングペーパーを作ってしまえ!

いくら練習しても、シュミレーションしてもあがってしまう。その気持ちはわかります。ならば、いっそ事細かにカンニングペーパーを作ってしまいましょう。

「やるべきこと」「言うべきこと」「これだけは忘れてはいけないこと」「予想される質疑応答の答え」から「思いがけない質問をされた際の答え方」まで。これらを箇条書きなど、見やすい形にして細かく書いておく。

原稿ならば、わかりやすく「ここはゆっくり読む」「ここで一拍おく」などの指示も書き込んでおく。いざとなったらそれを見て、愚直に書き込んだ指示に従いながら読めばよいのです。

いざというときの受け皿があるというだけでも、安心感がだいぶ違います。ただし……当然ながら『試験』とかにはやらないでくださいね?あくまで発表やプレゼンなどに限りますよ??

 

『視野を広く持ち』ましょう。

始まる前からうまくいくだろうか、大丈夫だろうかと不安でいっぱいになり、人前に出るともどかしさや恥ずかしさから緊張がピークを迎え……さらに他人の視線が気になって仕方なくなる。今失笑されたんじゃないか、呆れられているんじゃないか。

終わったら終わったで後ろ指を差されてるような気になっていたたまれなくなる。本当に穴があったら入るどころか埋まってしまいたくなること、ありますよね。ですがこれらは、すべてその『一時』に向けられた意識です。

あなたがこれを行わなければならない理由はなんですか?なんのために行うのですか?もう少し、視野を広げてみましょう。あなたが緊張しているその『一時』は、あなたがやらねばならぬことの一部分にしかすぎません。

さらに身も蓋もない言い方をするならば『(叱責を受けることはあるかもしれなくても)死にはしません』。そう、その一時が「すべてではない」のです。

失敗したなら次に活かせばよい、向上するための反省材料を見つけるのに必要だったと意識を切り替えることは、悪いことではありません。大事なのは『捉われて落ち込むこと』ではなく、『次は今より一歩でも前に進むこと』です。そのためにも冷静に分析する目を養いましょう。

 

意外と有効!?『イメージトレーニング』

胡散臭いとあなどるなかれ!イメージは人が思っている以上に潜在意識に働きかけます。コツは、成功している場面を具体的に思い浮かべること。そこに「こんなにうまくいくはずはない」といったような疑念や負の感情を入れてはいけません。

そしてもう1つ。イメージが鮮明になるほどかえって緊張を感じてしまう時は、トレーニングを中断してください。無理に続けても逆効果になるばかりか、緊張を悪化させてしまう可能性も否定できません。

心に負荷がかかって辛くなったらいったんトレーニングはやめ、他の手段に切り替えるか、克服法を行うこと自体から少し離れましょう。できそうなときに行う。

そのときは深呼吸しながら成功のイメージを具体的に思い浮かべる。うまくいかなければ中断する。焦ることはありません。3歩進んで2歩下がったって良いのです。あなたの心と相談しながら行ってくださいね。

 

『おまじない』を作ってみましょう。

『プラシーボ効果』をご存知でしょうか。これは「偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられること」をいいます。人間の思い込みというのはこのように、時として強い力を発揮します。

これを利用して、あなただけの『おまじない』を作ってみましょう。例えば「自分は大丈夫、と朝昼晩に5回ずつ唱える」などなど。一番効果的なのはパワーストーンやお守り、携帯の待ちうけなどを利用することです。

人間の情報の87%は視覚から入ります。常に目につくところに置くことによって、意識的にしろ無意識的にしろ、自分自身にポジティブな暗示をかけやすくなるのです。

 

『リラックスする』方法あれこれ。

誰でも緊張が高まると自律神経が乱れるため、動悸が激しくなり、呼吸も浅く早くなります。これを意識的にゆっくりとした呼吸に戻す訓練を行うことがあがり症の克服に効果的です。しかしただ深呼吸をすればよいというものでもありません。

肋骨を大きく広げて息を吸う方法を胸式呼吸よりも、胸郭(肋骨などからなる籠状の骨格をなるべく動かさずに行う腹式呼吸の方が有効なのです。ここでは、腹式呼吸のおさらいをしておきましょう。

【腹式呼吸】

1、身体の力を抜いてリラックスしましょう

2、口から息を全部吐きだします。

3、鼻から息を吸います。この時、風船を膨らませるようなイメージを描きながら、お腹に空気を送り込んで膨らませましょう。

4、膨らませたお腹をへこますように口からゆっくりと息を吐ききります。

また、あがり症克服に効果的なツボ、というものもあります。合谷(手の背面の親指と人差し指の間)神門(手の小指側のライン上、脈のちょうど反対側)内関(手のひら側の手首のしわの中央から肘に向かって指幅三本分のところ)を順番に、少し痛みを感じるくらいの強さで押すと効果的ですよ。

 

さて、その他にも『手のひらに「人」という字を3回書いて飲む(実は手のひらの中心には『労宮』という、心臓に繋がっているツボがあります。そこに軽く触れるだけで交感神経の興奮を抑え、緊張をほぐす効果が得られるのです。

人という字を書くことで、この労宮を自然となぞります。子供騙しなどではなく、ちゃんと理にかなっていたのですね)』『首を冷やす(刺激が交感神経(緊張する神経)を和らげ、副交感神経(リラックスする神経)を呼び覚ましてくれます)』といった方法があります。

あがり症は一朝一夕には治らないかもしれません。ですが、これだけの手があります。悩みぬいてうつむいてしまった顔を上げて、まずは1つでも試してみてくださいね。あなたに少しでも早く、心からの笑顔が戻りますように。

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